掌で持ち上げた

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「待って…ください…寅雄さんは、許してください…言う通りにします…寅雄さんは…放してください…」

庭師辰に腕を掴まれた寅雄さんを見て、俺は…必死に哀願した

「今夜はたっぷりと仕置きをしてやる!」

片品親爺が冷たく言い放つ

庭師辰の手が寅雄さんから離れた

「お願いします」

片品親爺の気が変わらないうちにと、俺は…丹波の前に両手をついて頭を下げた

その顎を丹波が掌で持ち上げた