慕ってしまう…

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片品親爺は、くくくくと笑ったあと、わざと手の匂いを嗅いで見せる

濡れたタオルを数枚手にし戻ってきた寅雄さんは、灰色の綿紬の浴衣を着ていた

山吹色の麻の小袋帯との色合いが落ち着いている

寅雄さんは傍らにタオルを置いて、今まで片品親爺のいた太股の間に入った

自分にはない寅雄さんの熟年の匂い

咎められても上品な寅雄さんに魅せられ慕ってしまう…